ポケットDSPラジオ

ラジオの受信回路をデジタルで構成したDSPラジオのモジュールをアイテンドーで販売していたので、AM/FMのポケットラジオを製作してみました。これはトランジスタ技術の2013年11月号のP.69~P.73で紹介されています。デジタルのラジオといっても、チューニングや音量調整はボリュームによる電圧によってかえることが出来、デジタル的な数値で指定するわけではありませんが、内部的にデジタルで扱うことで、チューニングがしやすくなっています。FMではステレオで受信できますが分離がよいです。

画像AKCTechnology社のDSPラジオチューナIC AKC6952は、SOP28ピンパッケージに収められたAMとFMステレオの受信チューナICで、アイテンドーで入手できるのは、これをDIP28ピンに変換したモジュールとなっています。受信周波数や音量は、外部から加えられる電圧によってかえることが出来るようになっていますが、乾電池2本で動作するので、安定のためにVref+とVref-端子がICから出力されており、ボリュームによって電圧をかえることが出来るようにします。イヤホンのアンプや受信回路の部品は内蔵されており、AMバーアンテナのみが必要になります。バンド切り替えとして、Vrefを分割した18レベルを加えることでAM/FMやバンド全体の幅などを切り替えることが出来ますが、トラ技の製作においては、下記4バンドを選ぶことが出来ます。FM(70MHz~93MHz)、TV1(56.25MHz~91.75MHz)、TV2(174.75MHz~222.25MHz)、AM(522kHz~1620kHz)が選べますが、日本は地デジに移行したためTVバンドを受信できても使用できません。そのため、回路でジャンパとなっている部分を省略してAMとFMのみとしました。
ケースとして、製作記事と同じ、タカチのLC115H-F2を使用しましたが、単4乾電池ボックスが付いたケースで、蓋を開けるとケースの下部は基板を取り付けるだけの深さしかなく、ケース上部の堀が深くて上を覆うようになっています。そのため基板上の回路を組み立てるのが容易になります。ケースの上のほうにチューニングや音量のボリュームを取り付けますが、アイテンドーで扱っている横型のボリュームを使用したところ、トラ技の製作記事どおりの幅に収まりました。
組み立てが終わり、電源を入れてチューニングのボリュームを静かに回すと、ラジオの放送が聞こえてきました。AMはバーアンテナを使用しているので割合よく聞こえました。FMは、イヤホンのアース線をアンテナに共用する方式となっており、イヤホンのコードを伸ばしたほうがよく聞こえます。チューニングするとき、ゆっくり回していっても受信点を通り過ぎてしまったときに余分に戻さないと受信点が見つかりません。多分AFCによって受信の安定化を図っており、チューニングのときに少し引っ張られるようになるためと思います。
FMのステレオもよく分離し、安定に受信できますが、乾電池の代わりにニッケル水素電池(1.2V)を入れると、チューニングの位置がだいぶずれ、感度も悪くなるようです。





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この記事へのコメント

ドック
2019年05月21日 16:36
私は、ここで使われているM6952モジュールを使い、何台ものラジオを製作しました。しかし、温度によっては起動しない現象を何度も経験しました(キット版でも同様)。例えば、酷い場合、環境温度17度で、電源電圧が2.7Vではもう起動しません。逆に、5度、1.8Vで起動するものも有りました。この現象は、ロットに関係しないようです。後者のように問題がないモジュールは半数程度のようです。これに気付くまで、煩わされました。なお、起動しない状態ではオンボードLEDが薄暗く光っています。