iPHONEショック(日経BP社)

iPhoneショック ケータイビジネスまで変える驚異のアップル流ものづくり
 ユーザーエクスペリエンス(ユーザー体験)という言葉をよく耳にします。アップル社製品を手に入れて使い始めてそれを経験することですが、実際にはもっと深い意味があります。アップル社の製品は、予想していたよりもそれを上回る機能、操作性、満足感を与えてくれ、一度使ってみるとその満足感にとりこになってしまいます。その予想を上回る感じを表している言葉なのです。一方、昔から、過度な機能の盛り込みによって満足度を高めすぎて、ユーザーが馬鹿になるようにしてはいけないということも言われていると思います。過剰に甘すぎるものを食べると感覚が麻痺して、もっと甘いものでないと満足できなくなるということです。過剰な「砂糖漬け」製品がいけないものであるという批判と、常に予想を上回る製品を出し続けることによる発展とを理解したうえで、本書を読むと、「砂糖漬け」製品を作るための苦労を知ることが出来て興味深いものがあります。

画像通常、製品とは、他社のものと同程度のものに何か1つ機能を追加したような、「十分に使えるが、満たされたものではないもの」が作られているようです。新しく改良されたとしても、見違えるようによくなったのではなく、何かが加わって新しく出来ることが増えた程度のものが多いのではないでしょうか。
このようなものでは、10年にわたるロードマップも平坦であり、ユーザーも製品のよさに魅せられて、さらにいいものが欲しくなるというようなことにはならないでしょう。
これが、今までの製品であり、それがユーザーの為であるよいものでした。

半導体産業を基盤とするような、パソコンや携帯電話のような情報機器では、そのような話では通用しなくなっています。つまり、新しい製品が出ると、人々を魅了し、急速に売り上げを伸ばし、そして1年もすると、それを上回る改良された製品が出てきて、古いものはすっかり色あせてしまい、また新しいものへと移って行きます。これは、作る側にとっては都合のよいことで、短期間に売り上げを上げることができ、また1年もすると新しいものに飛びついてくれる、そして、長く使用しないので、古くなったものの修理などしなくて済むという具合です。
パソコンなども、年に数回、「ファッション物」として新しい機種が投入されていきます。

アップル社の製品は、商品寿命が短いといわれます。故障してしまうのでなく、買って1年も経つと次のそれを上回る魅力的な製品が並ぶので、それに買い換えてしまうということで、使われる期間が短いということなのですが、そのように買い替えを促すことの出来るほどの魅力をさらに付け加えて毎回出すことはとても大変なことのようにも思えます。
常に予想を上回る加速度的な進歩を続けることは、それに慣れてしまったものには日常のように行うことなのでしょうが、そんな発展を続ける秘訣を本書の中では、iPHONEという、型破りな携帯電話を題材にして解き明かしているようです。

書き出しの内容から、私が、アップル社の否定的立場ではないかと思われる方がいるかもしれませんが、私は、APPLE][以来のアップルユーザーで、アップルの製品のユーザーエクスペリエンスも体験しています。
このような加速度的進歩を何十年も続けるのは難しいのではないかと思われると思いますが、このような発展していく業界では、先までの安泰の道があるのではなく、日々の発展の努力が続き、何十年かが経ったときに振り返ってみて、発展が長く続けることが出来たというようなものであると思います。

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